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知識の整理メモ。

営業避止義務は雇用契約

協業避止義務は公務員は公務員法、民間会社員は雇用契約

商法第23条第2項(支配人の競業禁止)

◆例1:オッサンとオバハンそれぞれ同業他社である。オッサンがオバハンにシステム開発を援助した。例としてオッサン社の新製品発売日を教えた。オバハン社がその前日までに類似商品の発表あるいは便乗に貢献した。これは背任行為となってしまうため、商法では支配人の競業禁止をしている。

在職中に知りえた情報ノウハウを持って退職することで、支配人としての束縛を逃れることができる。その為、多くの企業は入社時に守秘義務契約を取り交わすことが主流となっている。

◆例2:守秘義務契約を交わしたオッサンが退職し同業者へ転職。そこで元勤務先で知りえたノウハウ、顧客リストを丸ごと持ち出した。このオッサンは憲法第22条で保障された職業選択の自由を持ち出して訴訟に臨んだ。

転職先での相当な待遇を受けるオッサンは不利益ではなく、元勤務先の競業避止義務は合理的な内容であること、憲法第22条を不当に害するものとまで断ずることはできない。判例では、元勤務先の申し立てが認容された。


支配人の義務として

関連判例:東京地裁 平成16年9月22日 判例時報1887号149頁 労働判例882号19頁

①支配人と営業主の間には雇用契約によって規律される。商法はこれ以外に特殊な義務として、支配人の営業避止義務と協業避止義務を規定している。(商法第23条第1項第1号、会社法第12条第1項第1号)。支配人は営業主の許諾がなければ営業をなすことができず、会社の取締役、執行役、業務執行社員、もしくは他の企業の使用人となることはできない。(商法第23条第1項第3、4号、会社法12条第1項第3項)この義務は協業関係になるか否かに関わらず負うものであり、「営業避止義務」、「専心義務」とも呼ばれている。

また支配人は営業主の許諾がなければ自己もしくは第三者のために営業の部類に属する取引をすることは許されない。この義務を「協業避止義務」という。この協業避止義務は、支配人は企業主から営業の一切を任されているものであり、その企業の機密を知っているので協業関係にある営業をなすことは営業主に損害を与える危険があるために認められた義務である。

②支配人が協業義務に違反して「自己または第三者のために取引をした」場合には、営業主は支配人に対して損害賠償を請求できる。また、この場合の損害額を立証するのは困難なので当該取引によって支配人又は第三者が得た利益の額を損害額と推定する。(商法第23条第1項、会社法第12条第2項)

以上



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投稿者 斉藤之雄 (Yukio Saito)

Global Information and Communication Technology OTAKU / Sports volunteer / Social Services / Master of Technology in Innovation for Design and Engineering, AIIT / BA, Social Welfare, NFU / twitter@yukio_saitoh