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神戸医療産業都市クラスター交流会が主催する【介護リハビリロボットセミナー】を受講しました。

研究者、設計者として気付きの点も多いのですが、専門領域での気付きよりも、一般的な乖離と気付きについて紹介させてください。(乖離を埋める方策は既にあり、専門的すぎるので紹介割愛)

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■介護ロボット+リハ支援ロボット
(開発シーズ)
肉体労働を緩和しまっせ!学習させれば個別化対応できまっせ!
見守り(監視)も夜間できる!

(現場ニーズ)
排泄と入浴のみロボットが必要。(介護者、被介護者ともに)
施設内の見守りは福祉スタッフがしたい。(労力かからない)
作り笑顔の判断は人間にしかできない。

■ノーリフト
→日本ノーリフト協会 保田理事長の講演より
ref.) http://www.nolift.jp/

(日本)
腰痛は介助者の代表的な職業病として認知されている。腰痛を悪化させないように一人で抱きかかえから移乗、移動、衣類脱着、入浴、清拭はそれぞれ別の担当者が行う。リフトなどの福祉機器を使うのは当たり前。被介護者の運動機能を悪化させないため、なるべく離床させているが【介護者の腰痛】懸念が根強い。ナース(ヘルパー)コールは必須。

(北欧)
北欧では寝たきりが極めて少なく、スウェーデンやデンマークには寝たきり老人がほとんどいない。抱きかかえる方法を工夫するだけ。また腰痛持ちの介助者を増やさないという施策はない。

(豪州)
まずナースコールは全土で撤廃済み。ナースコールはコメ(ディカル)や施設利用者にとってストレス増となる悪因でしかない。高度に安全が担保された WiFi と RFID 利用が当たり前。(斉藤注釈:最近は BLE デバイスも多い)

腰痛があるからどうしよう?ではなく、リフトを使う前提がおかしい。
抱きかかえの持ち上げの移乗を無くすことで、介助者・要介護者双方の負担を軽減することにならない
ノーリフトを実現するためベッドはシンプルに、電力を使う福祉用具はベッドが複雑化することに着目。北欧同様に抱きかかえ方法が日本と異なっている。

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■斉藤所感
現場での働き方、その文化を変えることが日本に必要。日本では、抱きかかえやリフト使用について、それが正しいものとして教えられ実践し現場管理が行われているので、変えるというのは、相当困難であるかも知れない。
変えられないを変えていく、実践するのはみなさん

日本はロボット産業に関しては先進国であるにも関わらず、その医療福祉の国内利用は極端に高価なものか、まったく使えない倉庫行きガラクタの両極化。

設計(開発)は、もっと現場の声を傾聴しなければならない。
現場も、何が問題であるのか(自己分析でアレコレ要望を出すのではなく)を正しく伝える能力は必要。

その両方をブリッジする専門職が必要だと考え、NFU に4年次編入したが、必要なのはもっと世界を広く知るという事。そして教育。

昨年まで大学院でサービス工学も研究していたが、海外のナース配置シミュレーション事例と成果を一度は見聞していたのに、それをどうして福祉分野で展開しようと思いつかなかったのか。研究者は本当にいろいろな考えを持っているが、なかなか咄嗟に出てこない。メンタルモデルが機能設計を妨害しているとするならば、機能デザインを現場展開するために、人間工学もさらに学修と実践しなければならないなと痛感した。

以上です。

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投稿者 斉藤之雄 (Yukio Saito)

Global Information and Communication Technology OTAKU / Sports volunteer / Social Services / Master of Technology in Innovation for Design and Engineering, AIIT / BA, Social Welfare, NFU / twitter@yukio_saitoh