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【DSM-5】健忘性障害 / 他の医学的疾患による認知症(映画で学習考察)

■前書き

土曜日の夜を Amazon プライムビデオ を観て過ごすことが増えており、今夜は【トゥルーマン・ショー】にした。これは、昔、映画館で後味がスッキリしなくて「妄想で追い詰められた主人公のその後が気になる」というか、そんなモヤっとした記憶を持っていた。最近は便利なネットツールが多く、主人公は【カプグラ症候群】とのこと。

Wikipedia によると、『カプグラ症候群(カプグラしょうこうぐん、カプグラシンドローム)とは、家族・恋人・親友などが瓜二つの替え玉に入れ替わっているという妄想を抱いてしまう精神疾患の一種。ソジーの錯覚[1][2](ソジーのさっかく)とも呼ばれる。よく見知った人物が、見知らぬ他人に入れ替わっていると感じてしまう現象を言う。偽物だと思い込む対象は無生物の例もある。以前は稀な症状であると思われていたが、今ではそれほど珍しいものでないことが分かっている。1923年フランス精神科医ジョセフ・カプグラ(1887年1950年)らによって報告された。』とある。

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しかし、Wikipedia ではサッパリ分からない。昨今の認知症のようで、そうでもないようで。そこで、先日購入した電話帳サイズのテキスト DSM-5 (R) 診断基準の臨床への展開 日本語版第3版/原著第11版」と、ポケットブック「DSM-5 (R) 精神疾患の分類と診断の手引」を参照して理解を深めることとした。

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■お断り

これまで、この blog は ICT 分野の記事が主流でしたが、この2年ほどは社会福祉・精神保健福祉領域の学習を深めています。これからは学習備忘録(学習歴)として、自分なりの理解や学習記録も書いていこうと思います。

この blog でもって断片的な診断は決してなさられぬようにお願いいたします。信頼できる医療機関で、信頼できる医師の診断を受けるようにお願いいたします。

学校のレポートクエスト・コピペに使わないでください。コピペルナーでヒットするような文章構成にしますw マッシュアップしても検知するよ

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■カプグラ症候群

カプランを参照すると、神経認知症候群に包含され「レビー小体病 (DLB) 」患者の臨床症状の1つとしてカプグラ症候群(重複記憶錯誤)を呈することがあるとのこと。その一方で DSM-5 では「レビー小体病を伴う認知症 (DSM-5) (レビー小体型認知症) またはレビー小体病を伴う軽度認知障害(DSM-5)」によると、

  1. 認知症または軽度認知障害の基準を満たす.
  2. その障害は潜行性に発症し緩徐に進行する.
  3. その障害は確実なまたは疑いのあるレビー小体病を伴う神経認知障害の中核的特徴および示唆的特徴の両方を満たす.
  4. その障害は脳血管疾患, 他の神経編成疾患, 物質の作用, または他の精神疾患, 神経疾患, 全身性疾患ではうまく説明されない.

↑ 一部略

なるほど、【トゥルーマン・ショー】の主人公「トゥルーマン・バーバンク」の言動は 1, 2 を認められると合理的に考えられる。主人公は自動車運転(共同危険行為の誘引w)、他者との会話が噛み合っていない(TOEIC の世界で見受けられる、顧客のクレームに対してボケてどうするんだ?wみたいな)様子からすると、1 というよりも、錯覚(知覚の障害)という観点ではどうだろうか。

■錯覚(知覚の障害)

PSW (精神保健福祉士)の学習をすると、避けて通れないのが精神医学的初回面接の要素があるが、ここでは脱線するので割愛する。そこで主人公の外観と振る舞いから錯覚と軽度認知症が同時出現していると仮定すると、次のことを考えた。

知覚の障害には、幻覚、錯覚、離人感と非現実間がある。(カプランより)

  • 幻覚はそれらを説明する刺激がない中での知覚である.
  • 幻聴は精神医学上, 最もしばしば出会う厳格である.
  • 他の幻覚には, 幻視, 幻触, 幻嗅, そして, 幻味がる.

おお、ここまでくると主人公が置かれている状態が鮮明になってくる。主人公が会話のなかで「甘味料」に関することで前述の他者との会話が噛み合っていない状態を説明できる。しかし、その一方で、臨床場面やPSW 相談援助業務において面接者は本当の幻覚と誤った知覚(錯覚)を区別しなければならないとされている。他の文化圏(日本を含め)では、幻視が統合失調症で最もよくみられる幻覚であると報告されている。うむ、難しい。

運動活動性、言語、感情、思考内容、思考過程については、主人公の錯覚(知覚の障害)を疑うのは概ね妥当であるかのように思うが、そんなに単純なことではない。神経認知症候群に包含されるので、実際に患者医師関係での自由回答形式 (open-ended) の面接、守秘のような精神科面接における一般的な技法を通じて促進的介入、拡張的介入を行わないと実際のところは主人公が置かれている状態をモデル化できないだろう。

■学習継続のために

促進的介入、拡張的介入(カプラン P. 237-238) のみならず、妨害的介入 (カプラン P.238-239) についても一読は必要。一通り、自分なりに主人公や、彼の環境設定を理解したうえで再度 Amazon Prime Movie で視聴したい。

以上

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Amazon Prime ビデオについて

 

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投稿者 斉藤之雄 (Yukio Saito)

Global Information and Communication Technology OTAKU / Sports volunteer / Social Services / Master of Technology in Innovation for Design and Engineering, AIIT / BA, Social Welfare, NFU / twitter@yukio_saitoh