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[社会福祉]消費増税(10%)と年金

[社会福祉]消費増税(10%)と年金

たまには、社会保障について話題を。社会人が多いはずの環境でも「社会保険料が高い納付額だ」と愚痴をこぼされる方が少なくありません。中学校社会科の科目である公民で基本的な社会保障制度について学んできたはずですが、年金制度に対する不信感があったとして、年金制度を利用しない考えを正当化するに足りるとお思いでしょうか。今回は消費増税の増収は何に使われるのかについて、非正規雇用者の年金改善について纏めました。社会福祉士、精神保健福祉士、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーならば、お問い合わせがあれば答えられるレベルの内容です。

消費増税を一方的に反対される方は、年金生活者支援に対する財源を何処から捻出するのか、具体的な対案(対論)をお持ちなのでしょうか?お持ちでないなら、心当たりのある方へ「給付金問い合わせダイヤル」をご案内する行動をしましょう。

※ 2019年4月1日時点で老齢・障害・遺族基礎年金を受給している方で、年金生活者支援給付金を受け取れる方には、2019年9月頃に日本年金機構から手続きのご案内を送付します。
※ 2019年4月2日以降に老齢・障害・遺族基礎年金の受給を始める方は、年金の裁定手続きを行う際に、あわせて年金生活者支援給付金の認定請求の手続きを行ってください。

消費税率を引き上げた分は何に使われるのですか?

消費税率の引上げに伴う増収分は、全て社会保障に充てることになっています。

借金頼みになっていた部分の一部に代わる安定財源を確保するとともに、従来、高齢者中心となっていた社会保障制度を拡充し、子育て世代のためにも使えるよう「全世代型」に転換します。

具体的には、待機児童の解消や幼児教育・保育の無償化、高等教育の無償化、介護職員の処遇改善、所得の低い高齢者の介護保険料軽減、年金生活者支援給付金の支給などが実現されます。

ref. 財務省 https://www.mof.go.jp/consumption_tax/faq/index.html#faq02

年金生活者支援給付金制度とは?

年金生活者支援給付金は、消費税率引き上げ分を活用し、年金を含めても所得が低い方の生活を支援するために、年金に上乗せして支給するものです。
 消費税率が現行の8%から10%に引上げとなる2019年10月1日から施行され、初回の支払い(10月分・11月分)は2019年12月中旬となります。

ref. 厚労省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000143356_00002.html

保険料の納付月数や免除月数に応じて給付額が増えます。
例1:480万円(40年間)の全額納付者へは月額 5,000円が上乗せ給付です。
例2:障害基礎年金は低所得を条件に2級で月額5,000円、1級で月額6,250円が上乗せ給付されます。
例3:遺族基礎年金は一律月額5,000円が上乗せ給付されます。

改めて、同一労働同一賃金について考えよう

私は有期雇用労働者(直接雇用の嘱託雇用者、間接雇用の派遣社員)いずれも経験がありますが、やむを得ない事情(外科的持病で毎週通院加療等)を抱えていました。中には、やむを得ない事情はなく正規雇用(無期雇用フルタイム労働者)を希望していたが非正規雇用(嘱託雇用者、有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)で採用された方がずっと多い世の中です。派遣会社へ応募しても「オーバースペックなので不採用」ということもありました。逆に外資企業からは「色々自分でやってよ、役職タイトルも付け放題で契約年俸 3千万円。条件は日本での売上額を一年で10億円にしてもらうわ」とか、様々ですw

ただ、有期雇用労働者(派遣)を経験して分かったことも多くあります。いわゆる派遣会社のマージン率(天引き率)は会社によってバラバラですが、好条件で 33% 程度。悪くて 45% 程度ということです。平均的に 40% の派遣マージン率と見做していいでしょう。

例:有期雇用労働者 (派遣)40歳、A さん(職種:営業事務)が、時給 1,500円で稼働日あたり 7.5 時間の就労。11,250円の日給相当。月22日稼働で 247,500円(額面)です。所得税、住民税、社会保険料などを天引きすると、地域差はありますが手取り額は概ね 184,800円付近でしょうか。

国民年金第1号被保険者及び任意加入被保険者の1カ月当たりの保険料
16,410円(令和元年度)+付加保険料 400円(令和元年度)をご自身で納付。

勤務先までの交通費(想定 7,990円)も自己負担としましょう。
別途、医療生命保険料に加入し年間 18万円(月額 15,000円)の支出も考慮します。結果として、純粋な手取り額は 145,000円です。
(これを年収 180万円未満だと仰る方も少なくない。手取りで計算するなよな)

これでは生活を営めない!という乱暴な声がありますが、果たしてそうなのでしょうか?派遣先企業 額面年収 約480万円とほぼ同じです。
差額は派遣会社のマージン率と自己負担額の多さが・・・。
間接雇用故に仕方がありません。
直接雇用の非正規労働者は派遣会社のマージン率は存在しないので、一般論ですが直接契約で非正規雇用が可能ならば、直接雇用の方が給与面はずっと良いです。

派遣マージン率を除いた労働単価計算を行うことは雇用管理上の不均衡が生じ易いので不適切ですが、そのままの単価で正規雇用だったと強引に仮定すると、Aさんの派遣会社から時給 1,500円 ならば、派遣会社が派遣先から徴収するのは時間あたり 2,500円 です。即ち月間徴収額は 396,000円 です。そこから所得税、住民税、社会保険料などを天引き、国民年金ではなく厚生年金に加入、非課税交通費の支給、別途、医療生命保険料に加入し年間 18万円(月額 15,000円)の支出で純粋な手取り額は 288,000円です。

非正規雇用者の給与が少ないか多いかは一般論では少ない方向へ振れていますが、労働市場の景況感にも左右されるもののため、ここでは派遣労働者の同一労働同一賃金の実現について注目し、非正規労働者も厚生年金に加入させ、保険料の半額を雇用者へ負担させる意義について考えます。

労使協定方式(労働者派遣法第30条の4)「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」について

働き方改革関連法による改正労働者派遣法により、派遣元事業主は

1.「派遣先均等・均衡方式」(派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇の確保)
2.「労使協定方式」(一定の要件を満たす労使協定による待遇の確保)

のいずれかの待遇決定方式により派遣労働者の待遇を確保することとされ、令和2年4月1日に施行されます。このうち、2.「労使協定方式」については、「同種の業務に従事する一般労働者の賃金」と同等以上であることが要件となっています。

ここで考えなくてはならないのは、直接雇用か間接雇用かの違いです。
派遣会社を経由している場合は待遇決定方式が採用され、且つ派遣会社を経由する以上は派遣マージン率は継続して課せられます。

ウンチクはどうでもいい、パートや派遣労働者の老後の年金額を向上させられるのか?

はい、国民年金を納付している方は国民年金基金を納付しましょう。
給付時は基礎年金額だけの非正規雇用(労働者)、自営業者らは平均月額 56,000〜65,000円程度。しかも、物価によっては実質価値が目減りするので、国民年金基金の納付は必須です。

自営業者を除きパートや派遣労働者を国民年金ではなく厚生年金に加入させる適応拡大があります。その結果として、国民年金+国民年金基金+厚生年金の年金額が支給されます。厚生年金を満額納付すると平均月額 156,000円の支給額です。

即ち、自営業者は定年がない代わりに年金納付額が低ければ貰える年金額が少ない領域。そこへパートや派遣労働者(定年どころか有期雇用)が含まれている現状を打開する厚生年金の適用拡大です。

厚生年金と国民年金の違いは社会人の半ば常識なので割愛しますが、2階建てが理解できていればいいでしょう。 ref; 厚労省 公的年金制度の仕組みhttps://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/structure/structure03.html

うまい話には条件あるんだろ?

ええ、ありますとも。

  • 週の労働時間が20時間以上
  • 月給88,000円以上
  • 従業員501人以上(正社員と正社員扱いの合計で、週20時間程度の労働者数は含まれていない)

それでも、この適用拡大で新たに厚生年金へ加入できる方は推定125万人と見込まれています。今後、従業員501人以上が、301人以上などへ緩和されると雇用主が保険料負担が重すぎるとして従業員減らしをするかも知れないと思った貴方!そんな従業員不利益が行われることはありません。そのための法改正も行われています。

まとめ、消費増税と年金について

定年がない自営業がいい、定年があるけど年金はしっかり保障されたいなどの選択肢は実質ないかも知れません。ですが、同じ日本国民として「消費増税するから生活が苦しくなる」という短絡思考はそろそろ卒業してみませんか?たまに海外の社会保障額を引き合いに出される街頭演説している左寄り方は、海外国家の税率がどれほど高いのかを無視しておられるのみならず、社会保障と税を含めた経済メカニズムを全く無視しているか、単純な四則演算力が怪しいと思います。

是非、信頼できるファイアンシャルプランナーへご相談いただいた方がよろしいかと思います。金銭管理が困難な方は公的相談制度もありますので。

ご覧いただき有難うございいました。

以上

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