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[組織学習] ポストモーテム(事後検証)とプロセスレコード(過程の記録)のカスハラ対策検討を通じた今後のメモ

[組織学習] ポストモーテム(事後検証)とプロセスレコード(過程の記録)のカスハラ対策検討を通じた今後のメモ

はじめに、ポストモーテム(事後検証)

案件の成功(受注、納品)や失敗(クレイム、失注)は事後検証を行うことで所属チーム(組織)を改善できる場面が多くあります。一般的には組織学習の範囲で、特にインシデント終了時の客観的な振り返りのことをポストモーテムと呼んでいます。PMBOK や SRE でも頻出する用語で、再発防止や原因究明の検討根底にある考え方です。

今回、blog 記事エントリを考えたのは昨年オンラインで開催された【Nulab Conference 2020 〜Nu Normal ヌーラボのものづくりの今とこれから〜 nulab によるカスハラの組織対応について】動画アーカイブが公開され、そこでポストモーテム話題が登場しました。カスタマーハラスメント(カスハラ)発生は即ちインシデントであると捉え、顧客担当者が孤立化しないように、また問題の対応が収束した後に「客観的に事象を振り返る」ために書く内部文書や今後に繋げるための取り組みとして取り上げられました。

SRE に携わる、或いは大規模で複雑な分散システムに携わるフルスタックエンジニア(大手電気通信事業者で技術営業)をしていた頃に購入した書籍です。
↓ 購入したのは 3年半ほど前。

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プロセスレコード(過程の記録)

これは対人援助職に関わる方にはお馴染みの「看護の臨床の現場における援助、 援助者と相談者の相互作用を、 具体的記述により考察する方法」です。ポストモーテムとは扱う対象が明確に異なりますが、ポストモーテムがビジョンの共有にあるとすれば、プロセスレコードはスーパービジョン等の省察へ向かうためにあります。これは自己一致を経てエンパワメントを実現するため、ポストモーテムにおけるインシデント当事者(双方)の事実確認や職場適合(職場復帰)への手掛かりとなるものです。

企業内対人援助職を通じたクライエントの職場復帰を寄り添い検討する場面においてはプロセスレコードを、組織にはポストモーテム文化で【失敗からの学び】で再発防止策が必要と考えます。

カスハラを受けた経験・・・あり。

公開している個人 blog 故に詳細記述はしませんが、当時の所属組織内では「腫れ物案件で長年に渡り顧客担当者が長続きしない」認識がまかり通っていましたし、私の前任者が非難する先はその前の前任者、その前の前任者も…と、終わりなき非建設的なインデント継続でした。継続するのは組織にとって明確なコストであり、お客様との長期に信頼関係を形成することは困難。繋がりは【金銭面のみ】という本質問題を隠匿する文化で、解決は常に先送りであったと振り返ります。
組織/社会で「異を唱える」のは簡単で、それでは何も解決しません。大切なのは「異を唱えるならば記録を残す」ことでしょう。

幸いというか、ストレスコーピング(対処法)は対人援助の実践学習で身に着けておりメンタルを壊すことはありませんでした。当時の営業日報はシンプルに記録しました。時には日報内容がチームレビューされることもありましたが、大半はレビューされないまま。それでも記録を続けたのは後任者への対応負荷軽減が目的でした。

営業日報にも通ずる事として、コンパクト且つシンプルに記載する文書スキルを持つことが大切と思い、昨秋スライドシェアへ公開しました。
Simple know how for creating agenda notes and daily reports

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まとめ/今後の展望

毅然とした態度で折衝を行わないと、相手は【当然のクレイム】+【何らかの見返り/期待を抱かせる】という負の連鎖が増幅する一方です。プロセスレコードは社会福祉士や精神保健福祉士、看護師等の対人援助専門職教育を受けた方でなければ主観的記録になりがちなので、組織において『非難のないポストモーテムの文化』が定着する環境へ働きかけを行うのが最初の行動と考えます。これは、改善の継続を維持することです。

特にコロナ禍でテレワークが増え続ける中で、見え難いインシデントの発生や担当者の勤務態度に不調を迅速に発見する方法は、日々日報等でのキーワードと形態素解析を用いた自動検出が一般的になっていくと考えます。
(形態素解析は簡単なフィルタなので、ネガティブ文言の係り受け構造を挟むだけで炙り出し可能。自由記述アンケートでもお馴染みです。もう20年以上前から存在する手法。一時期はこれをテキストマイニングと呼んでいた時代もあるくらい、枯れた手法です。)

また、シンプルにポストモーテムのテンプレートの取り纏めや、ポストモーテムからデータの取り出し自動化なども普及し始めているので、ベテラン SRE に限定することなく組織内での問題解決型の人材育成場面でコーチング活用できると考えます。

関連資料:

カスハラについては消費者庁や政府でも認識している記録多くあり。
以下、罰則規定がある企業内ハラスメントについての資料。

厚労省 過労死等防止 (P.196 – 198 にカスハラ対策の取組み言及あり)
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/karoushi/19/dl/19-4-3.pdf

厚労省 職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

厚労省 ハラスメント基本情報
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/

厚労省 動画で学ぶハラスメント
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/movie/index

以上、ご覧いただき有難うございました。

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