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■[IT] IBM テクノロジーセンター見学 (第2弾:IBMのメインフレームを見に行こう!)

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昨年 https://www.fxfrog.com/?p=4465 に続いて今回も参加しました。場所は日本のどこかです。

■まずは第一印象を。

写真は IBM テクノロジーセンターのメインフレーム system Z196EC を開けていただいたものです。

1基20〜30億円。メインフレームの設計歴史からコンピュータ世界について過去と展望を熱く受講しました。スパコンではないので内部インターリンクはインフィニバンド 48Gbps という標準結合でしたが、

半世紀以上メインフレームの歴史がある中で、設計思想が素晴らしい、まさに良いモノは後世へ伝わる世界だなと

つくづく考えることだらけでした。

私は東工大の TSUBAME, TUBAME 2.0 ともに施設見学経験があり、ラック筐体ごとに搭載された温度計(冷却情報)パネルと体感温度、冷却系ノイズ(騒音)はクール&クリーンだなと感じたことがあります。メインフレームはそれら俗にいうスパコンとは明確に使用目的が異なり、メインフレームは質実剛健でノード分割することなく設計されているのでこれからも金融系などの大規模トランザクションには欠かせない電算機であると考えます。

次の写真はバックパネルを開けていただいたところです。

バックパネルを開けることで動作環境変化は不明ですが、いろいろ見学させていただいて嬉しかったです。

ーーー

■SystemZ 恐竜

(名称は次の候補から今後決定とな。詳細は facebook で)

しずぽん、ZEAL(じーる)、ジーレックス(z-Rex)、AZoo(あずぅー)、ゼブリン、Zィラノ(ズィラノ)、SysZILE(シスザイル)、Zぃーら(じーら)、Zぃーたん(じーたん)、Z∞ルス(ずーるす)、Zぃーよん(じぃーよん)

私は日本らしく「しずぽん」が良いなぁと思います。

 

ーーー

■今回受講内容:

・IBM Technology Center の紹介もともとは SIer との検証を目的に設置された。
// マイクロソフトで言えば東京大手町の MIC イノベーションセンターと同じ。
「メインフレーム再発見」 IBM 北沢さん世界中でメインフレームはまだ1万台以上稼働し、現在も売れている。(プラス成長)
前回(第1回)で、歴史を知りたいという声が多かったので今回第2回となった。
質問は随時突っ込んでください(時間優先で受け流すかもw)

(社外秘・非公開のところは撮影しないでください)

ーーー

■以下、ご講演内容(非公開の項目は伏せています)

実況的な内容ですみません。

1.メインフレームにおけるテクノロジーの歴史
2.システムテクノロジートレンド
3.zEnterprise 196 のご紹介
(歴史とこれからの方向性と、将来を支えるアーキテクチャを実機で)

ーーー
IBM メインフレームの基本思想
世界中全員がユーザである。クレカ使用のほぼほとんど(一部地銀除き)
メインフレームユーザ、新幹線の予約も。
ここにあるシステムは数十億円のもの。銀行系の検証を行うため。
普通の方が触れない場所になりハイレベルのセキュリティによって管理されている。
半世紀近い歴史、System 360 が出てから。世界中の大きな企業、特に基幹業務で
使用されている。メインフレームの品質改善を繰り返し、機能追加を果たしてきた。
1つのアーキテクチャーに対して究極の信頼性、スケーラビリティ、パフォーマンスを実施
しているのはメインフレームしかない。他のプラットフォームは変化が激しい。

System/360 登場前のコンピュータ 〜1963年
業務専用マシン(システムがそれぞれバラバラに存在し互換性なかった)。
1アプリ1サーバ(現在のオープン系と同じ思想であった)
この当時は1コンピュータ何億円(現在の貨幣価値で何十億円)

System/360 搭乗前の製品系列は 5シリーズあった。
昔はディスク製品もコンピュータとして、 1957年以前は真空管、
以降はトランジスタで。

S/360 名前の由来は 船のコンパスの全方向。
巨額の開発費 USD 50億
→当時のIBM年間売上 USD 32億
→マンハッタン計画は USD 19億(1942年)
出荷台数33,000台
Bob Evans が開発 PL
天才たちによってアーキテクチャ開発、仕様を公開。

東海銀行が日本ユーザ第一号
S/360 Model-40

S/360 MOdel-75 日本での実質最上位モデル

ーーー
S/360
アーキテクチャ:コンピュータの設計仕様のこと
⇒機能要件と境界条件を定義
(ハードウェア命令等)

①ハードウェアを定義
②ソフトウェア定義(OS)
③アプリケーション

それぞれのインタフェイス(境界面)を定義しているのがアーキテクチャー
明確にアーキテクチャとして定義していれば、ハードウェアが何に変わっても
アセンブラさえ変わらなければ動作する。(インタフェイス部分のアセンブラを
完全互換にしているから、真空管、トランジスタ、PowerPC になっても
問題ない。リファクタリングできるようにアーキテクチャを公開し定義している)
半世紀ずっとリファクタリングしている。
ー商用計算、科学技術計算
ーオンライン処理
ーバッチ処理

常に上位互換である。(アーキテクチャを定義したことから)
日立製のメインフレームであっても、電気的な接続条件を公開しているから繋がる。
情報公開するのは他メーカの参入が可能になる。

PC/AT も同じ考えである。 IBM PC は出た当時は BIOS も全部ソース、回路も開示した。
S/360 は回路図も公開し、初期エンジニアは全員半田付け出来る。
IBM だけでなく業界全体が活性化してくる。

ーーー
ハードウェア・アーキテクチャ
ノイマン型をベース。(intel同様)
複数のコンピュータを統一。

S/360 アーキテクチャの確立・プログラムを長期間仕様できる(お客様の投資の保護)
・マイクロ・プログラム方式:マイクロコードが H/W の進歩や実装の違いを吸収(互換性の維持)
※過去のプログラムも動作する。

・マイクロ・プログラム方式(マイクロコード)
普通は Wired Logic、それに対してマイクロコードはアセンブラ命令の境界面に存在し(BIOSではない)
マイクロコードの中で解釈する(別回路があればそこへ)、境界においてインタフェイスを定義し(アーキテクチャ)、
互換性を維持し、ファミリーの概念を実現

安いモデルはシンプルな回路で実装してマイクロコードで処理させる
(高価なモデルは専用回路で処理する)
ーリファクタリング(ファームウェアで対応)

人間に近いほどコードが遅くなる。(人間とのインタフェイスのギャップを吸収する)
セマンティックギャップをマイクロコードが吸収する。

※最近は、マイクロコードとミリコードで二層化されている。
ソフトウェアを高速化するのに、ミリコード(アセンブラ)
マイクロコードはミリコードとマイクロコード(回路言語)

ーーー
OS/360 汎用オペレーティングシステム
メインフレーム用に最適化された商用OS
(メインフレーム用OSとして広く普及)

ジョブ管理

【システム資源管理】
タスク管理ーCPU、記憶域管理ー主記憶装置、データ管理←→入出力装置

UNIXや Windows と比較しても、OS/360 はしっかりしている作りとなっている。

「人月の神話」ブルックスの法則 1975年
【遅れているソフトウェア開発プロジェクトに要員を追加しても更に遅れるだけだ】
アムダールの法則 1967年
「性能向上を決定するのはプロセッサー数ではなくアルゴリズムである」
最初の SMPマシン 1965年発売の S/360 モデル 65
2005年、intelは空冷におけるクロック数の限界からマルチコア化によって
ムーアの法則を堅持することにした。このとき、アムダールの法則を根拠に
熱い議論になった。

ーーー
グロッシュの法則
1965年に Herbert Grosch 氏(IBM の社員だった)が提唱した経験則
P=C^2 「コンピュータの性能は価格の2乗に比例する」

値段の値付けはこのグロッシュの法則を採用していた。
競合他社はIBMの価格に合わせて少し安くなっていた。

「ランチェスターの第2法則」と同値
(戦闘力)=(武器能力)×(兵員数)^2

しかし、メインフレームではない、PCのような分散環境ではムーアの法則 1965年 が強くなった。

グロッシュの法則:クラウドコンピューティングの普及により、世界規模で集約化が進む。
コンピュータには多分5台くらいの世界市場があると考えている。トーマス・ワトソン(IBM会長がグロッシュの法則をエビデンスにしている)

ーーー
「ワトソン発言は最後に正しかった、と皆が理解するかもしれない」
ーーー

CISC vs. RISC 論争
・1990年代前半に論争があったが、現在は関係ない時代になった。
CISC不要説まで生まれたが、現在の状況は RISC に分離されていたプロセッサも CISC化し、RISC の要素も取り入れ垣根が無くなった。
ーーー
メインフレームのプロセッサは典型的な CISC と言われるが・・・

z196プロセッサの回路の多くは POWER7/プロセッサと共有化
ー VLIW Very Long Instruction Word

z196の H/W 命令は 1,100種類を超える

ーーー
H/W 命令のアドバンテージ(非公開)
メインフレームのプロセッサ優位性の例
ナ・イ・シ・ョ(ごめんなさい)

ーーー
IBM メインフレームのアーキテクチャの発展

1972年 S/370 仮想記憶機構
2010年 ハイブリッド・アーキテクチャー

以上、歴史だけで40分。

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テクノロジー進化に伴う量的な変化
CPU 2年で2倍 コア / チップ、 < 動作周波数 = 消費電力
DRAM 3年で2倍 容量 / チップ
Disk 3年で2倍
Flash 2年で2倍
LAN 4〜5年で10倍
最速のスパコン (Top500) 2年で4倍(10年で1,000倍)

ーーー
CPUのコストパフォーマンスの変貌 (非公開)

ナ・イ・シ・ョ(ごめんなさい)

ーーー
システムの進化の方向性

ナ・イ・シ・ョ(ごめんなさい)

ーーー
サーバの今後のイメージ:資源を柔軟に活用するリソースプール
⇒チューニングする要素がなくなっていくでしょう。

ーーー
次世代プラットフォーム:システム構造の変化の背景(非公開)

ナ・イ・シ・ョ(ごめんなさい)

ーー
z196 は Book単位でクラスタ化、そして PCIe でスイッチ接続。そして 100G で
ブレードで接続されているような感じ。Any -to – Any で接続している。

ーーー
z196 設計リーダー Jeff Frey (IBM Fellow)  非公開

ナ・イ・シ・ョ(ごめんなさい)

ーーー
z114 中型機 2011/7/13 発売
3.6GHz
空冷ファン

z196 大型機 2010/7/23 発売
5.2GHz
冷媒装置で冷やしている

ーーー
z196 最大 50BIPS
本体定価で20〜30億円。

ーーー

今回も多くの電算機見学ファンがおり、メインフレームについて歴史を知ることができて楽しい時間を過ごせました。有難うございました。

以上

 

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投稿者 斉藤之雄 (Yukio Saito)

Global Information and Communication Technology OTAKU / Sports volunteer / Social Services / Master of Technology in Innovation for Design and Engineering, AIIT / BA, Social Welfare, NFU / twitter@yukio_saitoh